航空会社もホテルグループも、他社との業務提携で集客に力を入れている場合が多いです。
お互いの上級会員への近道や、利用にあたってポイントの二重取り及び優待特典の共有など、色々あります。
提携パートナーとのリワードプログラムは、自社プログラムの足りない部分をカバーしてくれたり、会員離れを防いで活気を注いでくれたり、売上が伸びる効果も期待されます。
目次
主な提携プログラムの紹介
MARRIOTT BONVOY マリオットボンヴォイの提携パートナー
ユナイテッド航空RewardsPlus
そのうち主な特典は
マリオットチタン以上の会員にはユナイテッド航空プレミアシルバーを自動付与
ユナイテッド航空へのマイル移行で10%のボーナスマイルが付く
ユナイテッド航空プレミアゴールド以上の会員にはマリオットゴールド会員を自動付与
エミレーツ航空Your World Rewards
マリオットゴールドエリート以上の会員は、エミレーツ航空便搭乗でスカイワーズマイルに加え、1米ドルごとに3マリオットポイントがもらえます。プラチナエリート以上の会員は、優先チェックインや優先搭乗などの特典が受けられます。
エミレーツ航空スカイワーズシルバー以上の会員は、マリオットボンヴォイ参加ホテルの室料に対し、1米ドルごとに1スカイワーズマイルが貯まります。ゴールド以上の会員は、優先チェックイン、最長16時までレイトチェックアウト、客室内の無料エンハンスドWi-Fiなどの特典が受けられます。
MGMコレクション・ウィズ・マリオットボンヴォイ
MGMグループ傘下16軒のホテルが入っています。
MGMリワード会員は、2024年限定で下記のようにマリオット会員資格を取得できます。
MGM Gold → Marriott Silver
MGM Platinum → Marriott Gold
MGM NOIR → Marriott Ambassador
マリオット会員は、2024年に限りMGM COLLECTIONの宿泊で下記特典が受けられます。
対象である滞在:マリオット公式を通しての予約
対象である消費:客室料金とミニバーはマリオットポイント獲得可能で、ホテルレストラン、SPAなどほかの消費はMGMポイントのみ獲得可能
お互いのポイント移行も可能です。1回の移行は1000ポイントから、毎年の移行上限は3万ポイントです。
10 マリオットポイント→8 MGMポイントポイント
10 MGMポイント→8 マリオットポイントポイント
Uber & UberEats
アメリカの電話番号を持っていて両方のアカウントをリンクする必要があります。
UberEatsで1注文USD25以上オーダーし、マリオットグループのホテル宛に届くとマリオットポイント6倍(ほかの住所宛は2倍)
UberXL、Uber Comfort、Uber SUV及びUber Blackの利用でマリオットポイント3倍
WORLD OF HYATTワールドオブハイアットの提携パートナー
SLHスモール ラグジュアリー ホテルズ オブ ザ ワールド (2024年からヒルトンとの提携が発表され、内容は未定)
お支払い1米ドルにつき5ベースポイントを獲得
無料のコンチネンタルブレックファスト2名分
無料Wi-Fi
正午のアーリーチェックインと午後2時までのレイトチェックアウト(チェックイン時の空室状況に応じる)
ひとつ上のカテゴリーの客室へのアップグレード(チェックイン時の空室状況に応じる)
会員資格対象の宿泊数と上級会員ボーナスポイントを獲得
ハイアット提携カードの支払いで1米ドルごとに4ボーナスポイント
*BRG適用外、最低宿泊日数適用の場合あり、大人2名以外の人数追加は追加料金がかかる可能性もあります。
Mr & Mrs Smith
客室料金のみ1米ドルにつき5ベースポイント(レストラン、スパなどホテル内の消費は対象外、上級会員のボーナスポイントはある)獲得、ポイントで無料宿泊の交換可能、宿泊実績は上級会員資格取得や、マイルストーンリワード及び5つの異なるブランド滞在特典獲得対象、グローバリストはお部屋のアップグレード(実際の空室状況による)可能、あまりいいとは思えない特典です。
アメリカン航空AAdvantage
ディスカバリスト以上の会員は、AAの搭乗で1米ドルごとに1ボーナスポイント、AAゴールド以上の会員は、ハイアットの宿泊およびエクスペリエンスで1米ドルごとに1ボーナスマイルを獲得できます。
ほかには、前述のステータスマッチや期間限定ボーナスマイル(過去には1滞在につき別途1000マイルが数回)など、不定期に開催される見込みです。
Shangri-La Circleシャングリ・ラ サークルとKrisflyerクリスフライヤー
Infinite Journeysという両社間のパートナーリワードプログラムがあり、下記のような特典を提供されます。
ステータスマッチ
シャングリ・ラジェイド/ダイヤモンド会員
登録するだけでエリートシルバーになり、さらに4か月以内に下記条件を満たせば、1年有効のクリスフライヤーエリートゴールドが手に入れます。
シャングリ・ラジェイド会員:対象便を3区間搭乗
シャングリ・ラダイヤモンド会員:対象便を1区間搭乗
*対象便とは、団体チケット、特典航空券及びコードシェア便以外のSQ運航便です。
日本発シンガポール乗継の便なら1回往復だけで4区間になり、予約クラスの制限もないから一番安いチケットを買えばいいです。
PPSクラブ/クリスフライヤーエリートゴールド会員
対象料金でシャングリ・ラグループのホテルで1泊するとジェイド会員へ昇格し、翌年の年末まで有効です。
ダブルボーナス
対象料金でシャングリ・ラグループのホテルに宿泊する際、通常の獲得ポイント以外、1滞在につき500航空マイルが積算されます。
ホテルポイントと航空マイルの自由転換
ポイント→マイル:1ポイント=1.25マイル(25%ボーナス、最低1000ポイントから交換)
マイル→ポイント:12マイル=1ポイント(最低2万マイルから交換、1暦年につき最大18万マイル)
こちらの特典は余りにも交換率が悪いので無視していいです。
Accor Live Limitlessの提携パートナー
Qantasカンタス航空
アジア太平洋地域のアコーホテルの対象宿泊で、消費金額1AUD=3カンタスマイルを獲得
カンタス航空運航便搭乗で消費金額10AUDごとに、アコーゴールド会員が1ポイント、アコー及びカンタスプラチナ以上の会員が2ポイントを獲得
カンタスゴールド以上の会員は、1滞在でアコーのシルバ会員資格を獲得(ゴールド以下の会員は2泊以上の滞在が2滞在必要)
Flying Blueフライングブルー
エールフランスまたはオランダ航空運航便の搭乗で、消費金額2EURごとに、1アコーポイントを獲得
アコーホテルの対象宿泊で、消費金額10EUR=10フライングブルーマイル( 例外:ibis、ibis Styles及びMama Shelter5マイル、Adagio4マイル、Adagio Access2マイル)を獲得
両アカウントをリンクした後最初のフライトと宿泊は、それぞれ5XP及び宿泊実績1泊分を付与
2000ポイント→1000マイルもしくは4000マイル→1000ポイントの交換率で移行できる(どっちもお得ではない)
Qatarカタール航空
アコーホテルの対象宿泊で、消費金額10EUR=10AVIOS( 例外:ibis、ibis Styles及びMama Shelter5AVIOS、Adagio4AVIOS、Adagio Access2AVIOS)を獲得
カタール航空運航便搭乗で消費金額2USDごとに1ポイントを獲得
両アカウントリンク後、以下のようなファーストトラックがある
カタール航空の初回搭乗でアコーのゴールド/プラチナ/ダイヤモンドがカタールのシルバー/ゴールド/プラチナ会員資格(ワンワールドルビー/サファイア/エメラルド相当)を獲得できます。
アコーホテルの初回宿泊でカタールのゴールド/プラチナがアコーのシルバー/ゴールド会員資格を獲得できます。
各レンタカー会社の提携パートナー
レンタカー会社(主にアメリカ)は、数多くのクレジットカード会社、航空会社及びホテルグループと提供業務を展開しており、主に自社の上級会員資格や割引及びボーナスポイントなどの利用特典です。
例えば、お持ちの航空会社やホテルグループの上級会員資格でNational Executive Eliteをステータスマッチで獲得し、その後National Executive EliteでHertzのPresident’s Circleをステータスマッチで獲得します。
President’s Circleがあれば、Avis(profile.update@avisbudget.comへメールで申請)とEnterprise(profile.update@avisbudget.comで申請)の上級会員資格もステータスマッチでゲットできます。
ステータスマッチ以外も、Hertzの提携パートナーがたくさんあり公式サイトにてそれぞれの優待特典を確認できます。
また、一部の上級会員、例えばデルタ航空のプラチナ以上の会員は、登録するだけで直接President’s Circleになれます。
その下のFive Starなら、三井住友ゴールド以上のカードやANA SFC会員など、どれか上級会員を1つでも持っていれば簡単に入手できます。
終了した提携プログラム一覧
WORLD OF HYATTワールドオブハイアットの提携パートナー
リンドブラッド エクスペディションズ
お支払金額1米ドルにつき5ベースポイント
会員資格対象の宿泊数と上級会員ボーナスポイントを獲得
ポイントを旅行に交換
予約ごとにスパやツアーなどに利用できる250米ドル分のオンボードクレジットを進呈
AAゴールド以上の会員は、お支払い1米ドルにつき1ボーナスマイルを別途獲得できます。
IHG One Rewards ワンリワーズの提携パートナー
Mr & Mrs Smith
IHG アンバサダー/ロイヤルアンバサダー/キンプトンInner Circle会員には
Gold Smithウェルカムギフト
無料客室アップグレード(空室状況による)
その他のIHGワンリワーズ会員には
Black Smithウェルカムギフト
宿泊実績の獲得は可能ですが、ポイントは通常の1ドル=10ポイントとエリートレベルポイントのみ適用されます。
また、無料宿泊特典の利用も可能ですが、基本1000ポイント=5ドルのレートで部屋代金と連動で設定されているので、お得な使い方は全くありません。
SPGグループの提携パートナー
デルタ航空
SPGグループの対象宿泊に対し、通常のスターポイントに加え対象料金1米ドルにつき1スカイマイルを獲得
デルタプラチナ以上の会員には、午後4時のレイトチェックアウト、優先チェックイン、客室での無料インターネット接続、客室アップグレード(空室状況による)などの宿泊特典が付く
SPGゴールド以上の会員には、デルタ航空運航便搭乗時、通常のマイルに加え対象のフライト運賃1米ドルにつき1スターポイントを獲得
SPGプラチナ以上の会員には、優先チェックイン、優先搭乗、アップグレード無制限、受託手荷物1個分無料などの特典が付く
また、過去に開催された「ニッポン500マイルキャンペーン」は、デルタ航空に日本国内線の搭乗券を送れば1フライトにつき500マイル(年間上限あり)が付与されます。
私はこれで8000マイル分を貯め、7500マイル+諸税3000円台で「羽田-金浦」の大韓航空片道特典航空券を発券しました。燃油サーチャージがとんでもない高額な2022年だったから直接買うと6万円近くですよ!
中国東方航空
SPGゴールド以上の会員は中国東方航空で4マイル貯めるごとに1ポイントが付与され、さらにプラチナ会員には中国東方航空シルバー会員資格も付与されます。
反対に中国東方航空シルバー以上の会員には、SPGグループの対象宿泊で対象料金1米ドルにつき2マイルが付与され、ゴールド以上の会員は、SPGゴールド会員特典も享受できます。
中国南方航空とIHGグループ
Sky Pearl Clubゴールド会員は、2019年9月26日-2019年12月31日限定のIHGスパイアエリートを獲得し、期間中対象宿泊10泊をクリアすることでスパイアエリート会員資格を2020年12月31日まで維持できます。
Sky Pearl Clubシルバー会員は、期間限定のプラチナエリートを獲得し、対象宿泊6泊をクリアして2020年12月31日まで維持できます。
今後期待できる提携業務
航空会社/ホテルグループ提携クレジットカード
日本では現在、航空会社との提携カードならANA、JAL、ユナイテッド航空、デルタ、キャセイパシフィック、ルフトハンザ、大韓航空など、ホテルグループとの提携カードならマリオット、ヒルトン、プリンスホテル、東急ホテルズ、オークラニッコーホテルズ、帝国ホテル、ニューオータニ、リーガーロイヤル、阪急阪神第一ホテルなどがあります。
航空マイルの貯まるカードは多いですが、人気マイルのAVIOSやアラスカマイルなどを貯めるカードはまだありません。
ホテルの提携カードは、ハイアット、IHG、アコーなど、大手国際ホテルグループのカードも発行されていません。
そして日本国内のものは多くてもほとんど認知度が低く大した特典の提供もありません。
また、昔は一定数のフライトと宿泊がないと上級会員を維持できなかったんですが、だんだんとカード利用額も基準になってきて会員維持基準の多様化が進んでいます。
今後は新しいカードの発行や特典内容の補充がどんどん増えるといいですね。
ほかの航空連合所属もしくは無所属の航空会社間の提携
例えばANAの場合は、スターアライアンス加盟会社以外も、スター アライアンス コネクティングパートナーの吉祥航空(HO)と数多くの提携航空会社があります。
提携航空会社はほとんど無所属ですが、ガルーダ・インドネシア航空(GA)のようなスカイチーム加盟会社もあります。
そこはJALも同じで、ワンワールド加盟会社以外も、大韓航空(KE)、中国東方航空(MU)、エールフランス航空(AF)のようなスカイチーム加盟会社や、エミレーツ航空(EK)、ハワイアン航空(HA)、バンコクエアウェイズ(PG)のような無所属の提携航空会社があります。
同じ航空連合は特典が一番充実で使いやすくても、やはりその連合だけでカバーできない路線があり、そこで独自の提携パートナーが必要になってきます。
無所属でもたくさんの大手航空会社との提携業務で一番有名なのはアラスカ航空でした。
会員プログラムも提携特典も極めて優秀で、結果、ワンワールドに加盟する形になってしまいましたが。
こういう提携は、航空連合よりは特典の内容が多少劣って使い道も狭いですが、体験できる選択肢も増え両社間の独自のキャンペーンを期待できます。
例えば通常のマイル積算や特典航空券の発券以外も、期間限定の会員プログラムのステータスマッチや、ダブルマイル加算、特典航空券減額などなどです。
今注目の無所属航空会社と言えば、やはりエミレーツ航空(EK)、エティハド航空(EY)、ハワイアン航空(HA)、オマーン・エア(WY)などを挙げられます。
航空会社/ホテル間の買収、株式取得、業務提携で利用範囲と特典内容の拡大
航空会社の場合は、自社及び所属連合に運航便のない地域に対し、提携業務を行うことが多いです。
例えばJAL所属のワンワールドは、元々加盟会社が少なく路線網も相当弱いです。それで大韓航空や中国東方航空との提携で本来韓国や中国本土などアジア重点地域の空白を埋めました。
また、大きな航空会社は、他社の株式取得による業務提携もあります。
例えば中国国際航空とキャセイパシフィック航空は、異なる連合なのにお互いの株式を大量に持っていて特典航空券も発券できます。
昔はCX「香港―欧州」往復ファーストクラス11万CAマイル/ビジネスクラス9.5万CAマイルの神レートもありましたが改悪で2倍以上になってしまいました。
ホテルの場合は、自社ブランドの展開がないもしくは少ない地域だけでなく、グレードまで考えて買収対象や提携パートナーを選定します。
例えばIHGグループは、規模が大きいもののラグジュアリーブランドがほぼなく、シックスセンジスやリージェント、キンプトンなどの買収でようやく整ってきました。
またハイアットグループは、全体的にグレードが高くても、展開地域やホテル数が少なく、SLHとの提携を行っています。
SLHはグレードが高くて個性的なホテルが多く、ハイアットの足りないところをカバーしてくれます。
逆にSLHにとっても、ハイアット会員のおかげで集客力が一気に高まります。
ただ業務提携なので、本来の会員特典を100%再現することは難しいです。
例えばマリオットグループのDesign Hotelは買収ではなく提携なのでちゃんとした特典がないとよく言われます。
また、SLHのようなホテル連盟の特性上、各ホテルでは会員特典に対しよくわからない状況も時々発生します。
こういうところも含め、今後改善されるといいですね。
OTAにてキャッシュ+マイル/ポイントで支払い
AGODA、KALIGO、ROCKETMILESなどのOTAは、ホテル予約で大量のマイルが貯まります。
では逆に、OTAでマイルを使えたらどうでしょうか?
飛行頻度が低くマイルを少ししか貯まっていない人は、キャッシュ+マイルの形でマイルを使い切れます。
コスパが悪くても使えないよりましだし、マイルの認知度も上がるし、さらに航空会社とOTAの相互送客にも役立ちます。
マイルだけでなく、ホテルやレンタカーなど、別の会員プログラムのポイントも、こういう方法で使い道が広がり、ますます柔軟性の高い消費環境に変わります。
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