マイレージプログラム、またはマイレージサービスは、航空会社が顧客へのポイントサービスで、実は日本でしか通じない呼び方です。
海外ではフリークエントフライヤープログラム(frequent flyer program/略称: FFP)と呼ばれるのが一般的です。そのFFPを利用して集客の向上や経費の削減など、競争激化から生き残るため、各社は業務提携をだんだん拡大してきます。
目次
三大航空連合と提携航空会社
現在、世界的な航空連合はスターアライアンス、ワンワールド、スカイチームの三つがあります。
*年間旅客数、就航国や就航空港、保有機材数はコロナ前のデーターです。
連合に所属する航空会社の上級会員になれば、当該連合の上級会員にもなり、共通の特典を受けられます。
また、マイルの積算や使用、サービスの提携など、旅客の利便性にも優れます。
それと別に、連合に関係なく各社独自の提携パートナーもあります。
連合には劣りますがかなり幅広くサービスの展開もしていてマイレージプログラムもより手軽に使えます。特に連合無所属の航空会社にとっては不可欠な業務提携で、代表的なのはかつてのアラスカ航空です。
マイレージプログラムの仕組み
ANAやJALと違って、キャセイパシフィック航空のAsia Miles、ユナイテッド航空のMileagePlus、デルタ航空のSkymilesなど、社名と全く関係ないプログラム名がほとんどです。
各航空会社は基本独自のものを使いますが、一部共用するパターンもあります。
例えばルフトハンザ航空、オーストリア航空、スイス航空はMiles & More、エールフランスとKLMオランダ航空はFlying Blueというプログラムを使います。
またブリティッシュエアウェイズ、イベリア航空、エアリンガス航空、カタール航空、フィンエアーのように、それぞれ独自のプログラムを持っていますが、マイルは全部Aviosと呼ばれ、それぞれのアカウントで相互移行できる小さな連盟もあります。
マイレージプログラムの本質は、マイルの加算、使用及び交換と、顧客の忠誠度を保つため会員のグレードによってサービスを差別化することです。
それをもっと受け入れやすくするためにも、航空連合の加入やほかの航空会社との提携が不可欠になるでしょう。
スターアライアンス、スカイチーム、ワンワールドは、世界三大航空連合となります。
加盟社は、各連合内の業務提携のほか、それぞれ独自の提携パートナーとの業務展開もしています。
例えばANAはスターアライアンスに所属しながら、無所属のマカオ航空、スカイチーム所属のガルーダ・インドネシア航空や独自の航空連合を持つエディハド航空などともマイレージ提携をしています。
ANAの上位会員は、当然ながらそれらの航空会社を利用する際も、上位会員の特典を享受できます。
ただし普通上位会員を維持するには、毎年所定のノルマを達成しないといけなく、そう簡単ではありません。
そんな背景で、スターアライアンス終身ゴールド会員と考えていいようなANAのSFC会員やワンワールド終身サファイア会員と考えていいようなJALのJGCサファイア会員が人気になるでしょう。
マイレージプログラム会員特典
上位会員の特典は、下記のようなサービスがあります。
ビジネスやファーストクラス専用の搭乗手続きチェックインカウンター
受託手荷物の個数または重量の無料追加と受取の優先
ビジネスやファーストクラス専用の保安検査場
搭乗口での優先搭乗
ビジネスやファーストクラス専用の空港ラウンジ。
上位グレード座席への優先アップグレード。上級会員ほどアップグレード確定が早く決定される。
予約、座席指定、空席待ちの優先または料金の免除
変更キャンセル手数料が無料あるいは割引。
専用のコンシェルジュサービス。
一言でいうと、エコノミークラスの利用でもビジネスやファーストクラスの一部サービスが受けられるのです。
*ANAとJAL以外も、スカイチームエリートプラス会員相当のデルタスカイマイルアメックスゴールドカード(2年目以降年間150万円以上利用必須)があります。
では、マイレージプログラムの核心であるマイルは、どんなものでしょうか?
マイルの加算
マイルは、2種類あることにご存じですか?
実は混乱してしまう人も多いです。
日本では、ANAのプレミアムポイントやJALのFLY ONポイントなどで会員のグレードが決まりますが、海外の場合、「資格対象マイル」の意味でQualifying Miles/Status Milesなどの表現がよく使用されます。
「資格対象」マイルもしくは搭乗回数、一部の航空会社は最低利用代金も条件で、翌年の会員ランクが決まります。
「資格対象マイル」は認められた運賃で搭乗しないと取得できないのが一般的です。
それと対照的にAward Milesは日本でよく知られるマイルのことです。
飛行機に乗る際、飛行距離(一部の航空会社は航空券代金)と予約クラスごとの加算率、そして会員ランク別ボーナスに基づいてマイルが積算されます。
積算先は運航会社以外、連合パートナーズと提携会社も対象です。
基本本人の搭乗分のみ加算されますが、ファミリーマイルサービスを展開する航空会社なら、家族全員分のマイルを共有するか、メインアカウントにまとめて積算することも可能です。
*一部の航空会社はこの2種類のマイルの販売も行います。
マイルの使用
マイルは、特典航空券の交換や座席クラスのアップグレード、ホテル、レストラン、レンタカーなどの施設での利用、各種ギフトやクーポンへの交換など、さまざまなところで使えます。
ただし、特典航空券の交換以外は基本マイル価値を下回ることを覚えておきましょう。
特典航空券のマイルチャートは、ゾーンもしくは距離で計算されます。
同じ路線でも、発券元、シーズン、運航会社、税金などの要素で特典航空券のコストが大幅に変わります。
マイルの使用は、そのコストを下げるコツが大事です。
また、格安航空券の時代でビジネスクラスかファーストクラスへの交換こそ王道ですが、一部短距離路線や、クラス混在の場合、エコノミークラスへの交換もかなりお得になります。
バイマイルのコストは航空会社別で1マイル当たり1~3円が相場ですが、うまく使用すれば1マイル当たり15円以上の価値も実現できます。
*マイルの有効期限にも気を付けましょう。
マイルの交換
クレジットカードとの交換は、昔からのメインルートで、近年はポイントサイトの案件によりマイルの大量獲得も広まってきました。
それ以外は、小売店やホテル、レンタカー、タクシー等の航空運輸と関係の深い業種、銀行や証券会社などの金融、携帯電話やインターネットサービスプロバイダなどの通信、あらゆるところからマイル交換が普及しつつあります。
飛行機の搭乗ではなくこういうルートでマイルを貯める人たちは、陸マイラーと呼ばれ、またマイル加算を目的として搭乗する行為はマイル修行と呼ばれます。
各種クレジットカードの特徴:
特定の航空会社のマイルが貯めれるANA、JAL、ユナイテッド、デルタの提携カード
サービスのクォリティーが高く数社へのマイル交換が可能で有効期限もないアメリカン、ダイナースなどの上級カード
スカイチームエリートプラス資格を保有できるデルタスカイマイルアメックスゴールドカード
マリオットポイントを貯めて40社以上マイル移行できるマリオットアメックスカード
*カードに詳しくない方には、年間利用額、主な利用先、必要なマイル、旅行スタイルや行き先、希望カード特典などを教えていただければ最適なカードを推薦します。
以上、マイレージプログラムに関する簡単な紹介でした。
興味のある方は、ぜひほかの記事もお読みくださいませ。
Comments