航空会社や、旅行会社のシステムは、まれに不具合や誤操作が発生します。
その際、航空券がとんでもない安値で売り出されます。
まさに買えたら=ロト当選の「エラー運賃」です。
目次
「エラー運賃」の発生原理
値付けミス
2017年7月31日、カタール航空がセール価格設定時に、「ベトナムーカタール乗継ー欧州/アフリカ/北米/南米」の路線通貨を間違ってVNDにしました。
「1USD = 20000 VND」の為替レートに基づき、ほぼ0円になりましたが、燃油サーチャージと各種税金はシステムに設定されたままなので、総額300~500USDぐらいで販売されてました。
通貨以外は、小数点や桁を間違って値付けすることもあります。
クラス表記ミス
2017年10月17日、中国東方航空の公式サイトで、アメリカ航空とのコードシェア便がエコノミークラスをビジネスクラスとして販売されました。問題のOクラスは、アメリカ航空ではエコノミークラスですが、中国東方航空ではビジネスクラスなのでシステムが間違っていたようです。
「上海―ロサンゼルス」のビジネスクラス往復直行便を6万円未満で購入したのが、2000人以上とも言われています。
損失が数億円に上るにもかかわらず、中国東方航空の対応はかなり良心的です。
予約変更希望の場合、1年以内の中国東方航空運航便へ変更可能
キャンセル希望の場合、払い戻しに加え多少補償される
キャンセル変更なしの場合、購入されたチケットをそのまま使える
ちなみに2016年に、中国東方航空には全く同じミスが起こりました。
アメリカ航空運航の「上海―シカゴ」路線で同じく6万円未満でした。
予約クラス(ブッキングクラス)は、各航空会社ごとに異なります。 そのためたくさんの可能性が生み出されます。 詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
ほかにも、数多くの発生例があります。
2017年6月、中国国際航空が「北京ージャカルタ」のトランジットを取り消しノンストップに変更した際、すべてのクラスをエコノミークラス料金約35000円に設定してしまいました。
2016年3月6日、中国南方航空がAクラスをファーストクラスからエコノミークラスへ調整しました。オンライントラベルエージェント(OTA)のシステムがそれに追い付かず、ファーストクラス表示のまま、エコノミークラスの金額で航空券を販売していました。
燃油サーチャージ計算漏れ
こちらは、エラーというよりシステムの不備です。
航空券の価格構成はおおむね三つの部分からなっています。
航空運賃(Base Fare)
燃油サーチャージ(Fuel Surcharge)
各種税金(Taxes)
決められた航空運賃や各種税金と違って、燃油サーチャージは航空会社が自己都合で簡単に調整できるものです。そのため、燃油サーチャージを高めに設定すると利益が出やすく、総額の75%まで占める航空券もあります。簡単な話、その75%を10%に下げれば「エラー運賃」を作り出せますね。
エティハド航空の「香港―欧州」線で、通常エコノミークラスが50000円以上かかります。
数年前の不思議な出来事ですが、この往復航空券に「香港ー適当に選んだ近い目的地」の片道を追加して検索したら、総額が20000円程度に変わりました。
これは、システムを騙して燃油サーチャージを消す手段です。
今も存在しているので、ひょっとしたら出会えるかもしれませんね。
為替相場下落
急劇な下落によりOTAの反応が遅れる時に発生します。
2018年9月23日、トルコリラが一晩で45%も下落し、CNY対TRYが1.5:1から1:1になりました。
ちょうど金曜日の夜だったためか、OTAの為替レートが変更されませんでした。
もともとCNY15000ぐらいのチケットがTRY9399で表示され、カードで決済したら、即時レートで換算されCNY9000ぐらいになりました。
システムエラー
2017年、エミレーツ航空の「香港―バンコク」往復路線が、OTAのシステムエラーで「香港―バンコク」と「バンコクードバイ乗継ー香港」の形で販売され、本来80万円ほどかかる「香港―ドバイ」線のファーストクラス往復航空券が9万円になりました。
ただし、目的地がバンコクだからドバイには24時間以内の滞在のみ可能です。
2020年4月もOTAにて、エミレーツ航空の「ペナン―シンガポール」、「シンガポールードバイ経由ーペナン」線で、同じエラーによりファーストクラス10万円未満とビジネスクラス6万円ほどで販売されました。
もしシンガポールでの滞在を24時間以内にし、「ペナンーシンガポール」部分をエコノミークラスにすれば、ファーストクラス65000円とビジネスクラス5万円未満の驚愕価格が出てきます。
コロナの関係でこの航空券は買っても使えないはずでしたが、エミレーツ航空の新しい予約変更ルールに従い、元の予約日から24か月先まで延ばせるのです。
つまり、この「エラー運賃」は無料で変更できるとのことです。
24時間以内の滞在で何の意味があるのって思われる方も、いらっしゃると思いますが、実はたくさんのメリットがあり、後で詳しく紹介します。
「エラー運賃」の発生例と注意事項
2019年1月2日、キャセイパシフィック航空のファーストクラス往復航空券でした。
本来約18000ドルもするチケットが約1000ドルで販売されていました。
ビジネスクラスなら700ドルで、路線は「ベトナムー香港乗継ー北米」です。
私も買おうとしましたが、行先を悩んだり、日程を考えたりしてチャンスを逃してしまいました。
宝くじ当たったのに、うっかりポケットに入れて洗濯機で回したような気分になりません?笑
アドバイスとしては、迅速に判断して買うこと!悩むなら何枚買ってもいいです!
なぜなら、出発日から7日以上残る航空券は、購入後24時間以内で無料キャンセルできるのです。
ただし米国サイトで購入する必要があります。
他国の場合、事前に航空会社の公式サイトにてFAQを確認したほうが確実です。
もし無料キャンセルできなければ、必ずポリシー確認をしてから購入してください。
安いからと言って適当に購入して行けなくなったら、逆に損をしてしまいます。
ここで気を付けなければならないポイント:
エラー運賃チケットのキャンセル、変更、払い戻しは、予約クラスに従います。
同じくビジネスクラスでも優先順位の違いでいくつかの予約クラスがあります。
例えばANA国際線ビジネスクラスのPクラスは、変更不可、払戻手数料50000円です。
逆にファーストクラスのFクラスなら、変更や払戻はすべて無料となります。
となると、変更無料のクラスなら適当に購入して後で変更すればいいって思うでしょう?
実はここに大きな落とし穴があります。
「変更により運賃が変更となる場合は差額調整が必要」なんです!
無料になるのは、変更手数料だけです。
私も最初は誤解したままで、8000円程度のファーストクラス往復航空券を見つけた時、一緒に旅行するようにと友達に買わせました。彼女が間違った日にちで買ってしまい、後で変更しようとしたら、すでに「エラー運賃」が消えて日時の変更により40000円ほどの差額が発生します。幸い払戻手数料無料でキャンセルできましたが、一つ勉強にもなりました。
では、衝動買いして行けなくなり、手数料も半端ない場合は泣き寝入りするしかないですか?
いや、まだ最後の手が残っていますよ。
お客様都合以外の事由による変更は、運賃規則に関係なくキャンセルや変更手数料が無料になります。
ちなみに変更不可の「エラー運賃」で購入したチケットを自己都合で2回も無料変更した知り合いがいます。航空業界を知りすぎて話術でカスタマセンターに勝ったそうです。笑
たまにはダメ元で運に任せてもいいんじゃありませんか?
もう一つの事例を見てみましょう。
2018年11月17日、中国東方航空の国内線はほぼ全線全クラス2000円ほどで販売され、すべて有効だと認められました。
ここでもう一つのポイント:
エラー運賃は航空会社の判断で無効になる可能性が高いです。
無効になった場合は、全額返金になります。
航空会社によって、それ以外の対応や補償もあるかもしれません。
この事件を機に、中国東方航空は運賃ルールを修正し、予約クラスに関係なく定価の15%以下で販売された航空券に対し、キャンセル、変更、払い戻しをすべて断る権利を持つことにしました。
つまり、予定通りに搭乗できなければ、払ったお金はパーになる恐れがあります。
この事件の続きは、従業員全員に該当チケットを規則通りに取り扱うよう、指示されたそうです。
無効にされることを予想し、返金によるクレジットカードのポイントの大量獲得や、無効にされた際の補償金目当てで何百枚も買った人がいたからです。まさか全部有効となり、キャンセルするのに手数料がかかるとは、見事な反面教材になりますね。
ちなみに私は無効にされた「エラー運賃」を有効にした経験もあります。後で詳しく説明します。
「エラー運賃」の購入方法
では、どうすれば「エラー運賃」を購入できますか?
まず、システムエンジニアが多数不在のため、エラーは夜中に起こりやすいです。
しょっちゅうあるようなことじゃないし、あっても数時間で消えるのがほとんどです。
エラー発生時、迅速に情報を手に入れなければ買うことは基本できないでしょう。
しかし、私は独自なエラー探知ルートを持ち、起きていればその場で配信可能です。(自分が寝ていれば申し訳ありませんが配信不可です)
メルマガを登録していただくと、エラー運賃の情報を即時受信可能です。
そして、「エラー運賃」発生時に、ユーザー殺到によりサーバーがパンクする恐れもあります。
その際、アプリ、PCサイト、モバイルサイトをそれぞれ試してみてください。
アクセスの少ないところがすこしスムーズになります。
最後に、出発地が限定されることが多く、そこまでの出費や手間の計算も含め、無理せずに購入してください。また、「エラー運賃」出発地を乗換地点として検索するのも、一つの手段でしょう。
「エラー運賃」の上手な扱い方による多様なメリット
マイルの賢い積算方法
ファーストクラスやビジネスクラスの最大のメリットは、まさにマイル積算です。
例のキャセイパシフィック航空の「ベトナム―香港乗換ー北米」を分析してみます。
路線を「SGN-HKG-JFK」にすると、飛行距離が合計8997miになります。
ここで大事なのは、どの航空会社に積算することです!
「SGN-HKG」はキャセイドラゴン運航便のため、アラスカ航空(AS)で積算可能なのが「HKG-JFK」の8072マイルで、積算率はビジネスクラス225%、ファーストクラス350%になっています。
もしJALに積算する場合は、たったの125%と150%ですよ!
*キャセイドラゴンはCX、JAL、BA、AAなどで積算可能です。ちょっと手間かかりますが、このような乗継便は、それぞれ異なる航空会社への積算もできます。
日本人なら、JALかANA、どちらかメインで乗ることが多いから、たとえマイルをたくさん積算できても、一生乗らないかもしれないアラスカ航空に何の意味があるって疑問が出てくるですよね。
ただし、アラスカ航空に乗らなくても、マイル発券でたくさんの航空会社を利用できます。
そのマイル価値が高く、特にJALにはとても使いやすいです。
前述の航空券の場合、単純計算でビジネスクラス36000、ファーストクラス56000のASマイルを獲得できます。
これで終わりかと思いきや、さらなるメリットが潜んでいます!
航空会社上級会員特典
CXのエラー運賃発生時、アラスカ航空の会員資格のなかに、MVP、MVP GOLD、MVP GOLD 75Kというランクがあります。
それぞれの昇格条件は、積算マイル25000、50000、90000です。
また、それぞれのボーナスマイル獲得率は、50%、100%、125%です。
「HAN-HKG-JFK」ファーストクラス往復の場合、1往復で約60200マイルとMVP獲得、2往復で約68800マイルとMVP GOLD獲得、3往復で約77400マイルとMVP GOLD 75K獲得できます。合計206400マイル、プラスMVP GOLD 75K到達時の50000ボーナスマイルで総計256400マイルが入手できます!
つまり3000ドルで256400マイルが買えるとのことです。
ちなみにアラスカ航空の史上最低バイマイルレートの50%ボーナスでも、3000ドルは163635マイルしか買えません!そのためマイル価値は、通常1マイル=1.8USセントと言われています。
そして最大価値1マイル=17USセントまで上ります。(発券可能な航空券の通常価格に基づいた調査結果)
ここで一番大事なのは、MVP GOLD及びMVP GOLD 75Kの会員特典です。
通常だと一回につき125ドルかかるある費用は無料になるのです。
今はルール変更により使えなくなりましたが、当時はその特典を使って無数の乗継を途中降機に変えるなんて夢の話でした。
今回の「ベトナム―香港乗継ー北米」チケットは、やや面倒な飛び方だと思われるでしょう。
でも、ベトナム部分を捨てて「香港―北米」の直行便往復にできるのです!
ルール上絶対禁止だということなのに、友達がこのルートで実践済みです。
有料セミナーにて、このようなどこにも公開されていないことをお伝えします。
ちなみに900ドル未満でこちらのファーストクラスを4枚購入した知り合いがいます。
それだけで運がいいのに、たった10分間の予約便時間調整で、無料変更権利まで付与されました。
ファーストクラス好き放題で乗れますね(笑)
*アラスカ航空の会員システム変更により最新の情報はアラスカ航空の紹介記事にてご確認ください。
パートナーリワードプログラム
航空会社とホテルグループは、たくさんの業務提携があります。
お互いの上級会員への近道とか、利用にあたってポイントの二重取りや共通利用とか色々です。
例えば中国東方航空とSPGグループは、かつて「クロスオーバー・リワード」というパートナーリワードプログラムがありました。
SPGゴールド以上の会員は中国東方航空で4マイル貯めるごとに1ポイントが付与され、さらにプラチナ会員には中国東方航空シルバー会員資格も付与されます。
反対に中国東方航空シルバー以上の会員には、SPGグループの対象宿泊で対象料金1米ドルにつき2マイルが付与され、ゴールド以上の会員は、SPGゴールド会員特典も享受できます。
これで何か思いついたのでしょうか?
そう、中国東方航空の「エラー運賃」です。
6万円未満の「上海―シカゴ」ビジネスクラス往復航空券を例として分析してみましょう。
当時中国東方航空の措置は、アメリカ航空から自社便のIクラスへの変更でした。
当時のIクラスは43000マイルの獲得ができます。これでシルバー会員に昇格し、同じ旅程で2回目の搭乗は15%のボーナスに加え、約50000マイルが獲得でき、ゴールド会員に昇格します。
3回目の搭乗は30%のボーナスで56000マイル、4回目の行きでプラチナ会員に昇格し、帰りで50%ものボーナスを得て最終的に209000マイルほどの獲得です。
4枚の出費は24万円未満ですが、プラチナ会員権、209000マイル(19万円相当)、SPGポイント52000ポイント(マリオットポイントで換算すると156000ポイント=12万円相当)が得られます。
ちなみに中国東方航空の規則変更で現在Oクラスがエコノミークラスになり、Iクラスの積算率も200%に落ちました。エラーのせいで常に規則変更するみたいですね。笑
マリオットポイントはほぼすべての航空マイルに3ポイント=1マイルの比率で移行できる仕組みで、60000ポイントを移行するごとに5000マイルのボーナスが進呈され、キャンペーンで最大40%のボーナスも出てきました。さらにユナイテッド航空への移行は、別途10000ボーナスが計上されます。
SPGとマリオットの合併により終了したものの、これから似たようなものも出てくるでしょう。
また既存のおすすめは、シャングリラグループとシンガポール航空のパートナーリワードプログラムです。
ファースト・ビジネスクラス搭乗体験
前紹介したエミレーツ航空の「エラー運賃」は、ドバイで24時間以内の滞在のみ可能なものでした。
旅行で使う意味はほぼありませんが、飛行機好きの人にとっては千載一遇のチャンスでしょう。
なぜなら、「香港―ドバイ」で世界最大旅客機A380、「シンガポール―ドバイ」で最新スイート搭載B777、両方ともファーストクラスの最高峰を体験できます。
A380は三万フィートの上空でシャワーができ、ビジネスクラス客も利用できる機内ラウンジは大人の社交場として魅力が感じられます。B777は完全個室で最新のデザインや技術を採用されています。
搭乗だけでなく、空港専属送迎サービズ(ドバイ空港はベンツS450)や、まるでラグジュアリーホテルのような空港ラウンジ、そしてドバイ乗継時のホテル、食事、ビザがすべて無料で付きます。
これはむしろ、「ドア to ドア」の特別な空中旅行ですね。
スカイトラックス格付けランキングに入るほどの航空会社、最新の設備が揃える機材、空港ラウンジや地面サービスが評判の運航路線、三拍子そろって素晴らしい体験としか言えないでしょう。
航空券代金は9万円ほどですが、アラスカ航空への積算率は350%で27000マイルが戻ってきます。MVP GOLD 75Kであればボーナスマイル150%もあり、マイル価値だけでほぼ出費を埋めます。
「エラー運賃」購入体験記
ある航空会社のヨーロッパ往復ビジネスクラスで、約10万円で販売されていました。
ちょうど友達とヨーロッパ旅行計画中で、自分は公式サイトから、二人の友達はOTAから購入しました。
ただしキャセイパシフィックや中国東方航空とは全然違って全く認める気がなく、全額返金か、エコノミークラスに変更するか、追加料金20万円ほどでビジネスクラスにするかと提示されました。
ここである措置を取るようにと向こうへ伝えたら、相手を見事に撃沈!
秘密保持契約書を交わす条件で、今回の「エラー運賃」は有効だと提案されました。
私は日程変更と友達の分まで認めてもらう条件を出しました。
また、そもそも10万円はちょっと高く感じましたが、ユナイテッド航空で21000マイルも積算できるため購入した航空券です。その予約クラスも併せて確認をして契約書にサインをしました。
また友達はそのOTAのVIPとして、別途一人につき20000円の賠償金ももらいました。
ちなみにSNS掲示板で同じ航空券を買った人何人かいましたが、結局キャンセルされたり、勝手にエコノミーに変更されたり、2カ月待っても返金されなかったり、すべて最悪な対応でした。
私たちは無事乗れましたが、正直なところ機材もサービスもいまいちでした。
それぐらい航空会社の質が違うことを、改めて実感しました。
長距離飛行は、ぜひ評判のいい航空会社を選ぶよう、強くお勧めします!
「エラー運賃」は、まさに株のような存在です。
扱い方によって、株はぼろ儲けでも大損失でもするよう、「エラー運賃」も、その不確定性が魅力的です。
航空会社、運航路線、対象期間がすべて未知のもので、素早い判断好きの人には最適です。
もし見かけたら、遊び心で購入してみませんか?
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