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執筆者の写真TOTO

SQシンガポール航空マイレージプログラム:KrisFlyer(クリスフライヤー)

更新日:2024年11月29日



1947年に設立したシンガポール航空(Singapore Airlines、略称SQ)は、航空連合のスターアライアンスのメンバーとして、シンガポールを代表する大手航空会社です。

スカイトラックスによる最高評価の「The World's 5-Star Airlines」や「World Airline Awards」1位を何度も獲得しています。

SQのマイレージプログラムはKrisFlyer(クリスフライヤー)と呼ばれ、マイルチャートは優れていなくても自社マイルでしか発券できないファースト/スイートクラスがとても魅力的で、フリークエントフライヤーならいつか体験したいと皆思ってるでしょう。



 

目次

 




会員システムの構成とプレミアステータスの取得



KrisFlyerには、クリスフライヤー、エリートシルバー、エリートゴールドの順に、3段階の会員ランクがあります。



ステータス達成条件


対象便:SQ、TR、HO及びスターアライアンス加盟航空会社運航便、そしてVS(大西洋横断路線を除き、オーストラリア国内線、オーストラリア= ニュージーランド間路線、オーストラリア=太平洋諸島間路線)やUK(インド国内線)運航のSQコードシェア便



自社便対象クラス及びクリスフライヤーマイル/エリートマイルの獲得率


エリートシルバースターアライアンスシルバーエリートゴールドスターアライアンスゴールドも同時保有し、スターアライアンス特典が享受できます。

エリートゴールドの獲得難易度は、大体ANAのプラチナ会員資格と同じラベルで、簡単ではありません。



KrisFlyerの上には、高級会員向けのPPS Club(PPSクラブ)があります。

PPS Clubには、PPSクラブ会員、ソリティアPPSクラブ会員の順に、2段階の会員ランクがあります。

SQ運航便のビジネスクラス以上の航空券を購入するにあたって、航空運賃と燃油サーチャージ部分の合計金額(シンガポールドルに換算された数値)がPPSバリューとして積算されます。


*ソリティアPPSクラブライフタイムメンバーの取り扱いがなくなりました。



SQのエコノミー/プレエコや他社便(全クラス)のみ搭乗の場合は、いくら飛んでもKrisFlyerのゴールドしか到達できず、SQのビジネス/ファーストクラスにお金を払って初めてPPS Clubに近づけます。





シャングリラ及びマリオットとのステータスマッチ


ステータスマッチを利用し、最低1回の搭乗で、上級会員へ到達します。



シャングリラ


シャングリラホテルとのパートナーシップロイヤリティプログラムによるステータスマッチが常時開催されます。登録するだけでエリートシルバーになり、さらに4か月以内に下記条件を満たせば、1年有効のエリートゴールドが手に入れます。


  • シャングリラジェイド会員:資格対象便に3回搭乗

  • シャングリラダイヤモンド会員:資格対象便に1回搭乗



日本発シンガポール乗継の便なら1往復だけで4区間になり、予約クラスの制限もないから一番安いチケットを買えばいいです。


もちろんジェイド会員は通常、1暦年に20泊/6000ポイントがないとゲットできませんが、1泊でクリアなど各種キャンペーンやチャレンジもあり簡単に入手できます。



マリオット


マリオットホテルとの優先パートナーシッププログラムによるステータスマッチも、2023年12月から開始しました。

お互いのアカウントをリンクすれば登録完了となります。

マリオット側の登録画面はこちらとなります。



マリオットゴールド会員:登録日から6か月以内に資格対象便を2回利用することで、クリスフライヤーのエリートシルバー会員になる。


マリオットプラチナ以上の会員:リンクするだけでクリスフライヤーのシルバーエリート会員になり、登録日から6か月以内に資格対象便を4回利用するこで、エリートゴールド会員になる。


クリスフライヤーシルバーエリート会員:マリオットの対象ホテルへ登録日から6か月以内に3泊すると、マリオットのシルバーエリート会員になる。


クリスフライヤーゴールドエリート以上の会員:リンクするだけでマリオットのゴールドエリート会員になり、対象ホテルへ登録日から6か月以内に10泊すると、マリオットのプラチナエリート会員になる。



*資格対象便とは、団体チケット、特典航空券及びコードシェア便以外のSQ運航便です。





プレミアステータス特典の比較とコスパ分析



会員特典比較表


1.SQ、VS運航便限定、予約クラスG、 K、N、QまたはV のエコノミークラス航空券は対象外

2.特典航空券やアップグレード特典は適用外

3.SQ、VA、VS、UK及びスターアライアンス加盟会社運航便が対象



完全に富裕層向けのPPSクラブより、クリスフライヤーゴールドのステータスマッチはハードルも低く、一度体験する価値があると思います。

特にシャングリラホテル愛用の場合は、お互い提携特典も多く使えば使うほど得するでしょう。

またクリスフライヤーゴールドの価値は、ほかの会員システムへのステータスマッチがかなり成功率の高いところです。

ただしスターアライアンスゴールド以外、特別に良い特典もなく、維持するのにあんまりお得とは言えません。





マイルの積算方法


フライト搭乗


各社からのマイル積算率一覧表です。

ビジネスクラス以上の他社便はSQへの積算率があまりよくないですが、エコノミークラスなら何社も最低100%の積算率とてもお得です。

SQ自社便は、基本自社への積算でいいですが、予約クラスによってLHやASへの積算率がとんでもなく高くなります。

例えばファーストクラスを自社に積算する場合ボーナスを入れても225%しかないのに、ASに350%~475%、LHに300%まで積算できます。



提携カード


クリスフライヤーVISAとJCBカードの2種類があります。


マイル付与率は一般/ゴールドカードどっちも1%でマリオットアメックスプレミアムカードよりぜんぜん低いですが、アメックスの使えないところで初年度年会費無料かつ入会ボーナス2000マイルも付いてくる一般カードはいいと思います。


また、VISA一般カードは「マイ・ペイすリボ」の利用で次年度以降も年会費1375円に優遇されJCBよりはよく、ゴールドカードは年会費の割に特典がいまいちで考えなくても結構です。



ポイント移行


それなりに貯めやすく交換率も高いのが、マリオットボンヴォイのリワードプログラムです。

通常60000ポイントごとに20000マイルプラス5000ボーナスマイルで合計25000マイルを交換できます。


マリオットアメックスプレミアムカードのポイント還元率は3%で、マリオットグループでの利用はプラス3%で、マイル還元率がそれぞれ実質1.375%/2.75%に上ります。



アメックスのプロパーカード(自社発行)は、「メンバーシップ・リワード・プラス」の登録で(年間3,300円、プラチナカード無料)、1,250ポイント = 1,000マイルで交換できます。


*未登録の場合は、2,000ポイント = 1,000マイルです。


カード利用時のポイント加算レートが100円=1ポイントのため(=マイル交換率0.8%)、マリオットプレミアムカードより全然低いですが、ビジネスカードで会社の経費に使う場合やプラチナカードでの高額利用が必要な場合など、ポイントがたくさん貯まったらマイルの移行が一番お得かと思います。




その他提携サービス


ホテル予約陸上交通機関提携パートナーショッピング提携金融機関その他提携サービスなど、様々なルートからもマイルの獲得ができます。

ただ同じサービスでANAマイルがもっと積算しやすいし、シンガポール在住じゃないと実用性が低く、マイルの大量獲得も難しいため、詳しい説明は省略します。





特典航空券の発券ルール


必要マイルチャート










共通ルール

  • 幼児・小児は大人と同じマイルチャートが適用

  • 1旅程は最大6区間まで&バックトラック不可

  • スターアライアンス加盟会社特典航空券以外、航空会社の混在不可

  • クラス混在旅程の所要マイルは最上位クラスが適用

  • 片道特典航空券の所要マイル数は往復の半分&無料ストップオーバー対象外

  • 出発24時間前までに変更可能&旅程開始24時間前までに払戻可能、ノーショー後の変更もしくは払戻可能(各種手数料かかる可能性あり)



自社特典航空券追加規約

  • 片道特典航空券はスタンダード特典1回、往復特典航空券はセーバー特典1回/スタンダード特典2回まで30日間以内のストップオーバー可能

  • 発券に必要なマイルの半分まで購入可能(1マイルあたりUSD 0.04)、クレジットカードで購入したマイルは払戻不可

  • 航空券変更によるマイル差額が発生した場合、追加徴収あり&払戻なし



スターアライアンス加盟会社特典航空券追加規約

  • キャンセル待ちはシンガポール航空の運航区間のみ可能

  • 片道特典航空券はストップオーバー不可、往復特典航空券にはストップオーバー1回まで可能。ただし、国内線、ヨーロッパ圏内路線、及びアメリカ合衆国、カナダ、プエルトリコ、アメリカ領ヴァージン諸島間のみの旅程もしくは国際線の出発地国内線部分はストップオーバー対象外

  • アメリカ合衆国、カナダ、プエルトリコ、アメリカ領ヴァージン諸島間および各国の国内線は4時間以上の乗継がストップオーバーとみられる

  • 往路出発地を復路の乗継地点にできない&サイドトリップ不可

  • 往復航空券発着地のいずれか1か所のみオープンジョーに設定可能

  • NHの国内区間はエコノミークラスのみ発券可能、LXのファーストクラスは同一予約に国際線乗継/途中降機のある場合のみ発券可能



スターアライアンス世界一周特典航空券に関する追加規約

  • 所要マイル数はエコノミー18K/ビジネス24K/ファースト36K

  • 出発地と最終帰着地が同じ国で、同じ方向に向かい、大西洋および太平洋を1回のみ横断可能

  • 合計飛行距離35,000マイル、最大16飛行区間と無料ストップオーバー7回(同一都市1回、同一国内2回、オープンジョー含め)まで可能


*特典対象者は5人まで自由に指定でき、登録完了まで最大14日間かかります。指定済み特典対象者は登録から6ヶ月間変更できません。特典対象者の変更/削除は手数料がかかります。







特典航空券の発券方法



ログインして検索できます。

単純往復もしくは片道特典の検索画面です。



検索結果からSQ、スターアライアンスもしくは他の提携航空会社のフライトをそれぞれ表示させることができます。



SQを選んでみたら、変更キャンセルについて詳しく記載され、燃油サーチャージの取消により諸費用も安いです。



*ストップオーバーやオープンジョーなど、ネット発券できないものは電話発券手数料がかかりません。



SQ運航便に関しては、空席があるのに「Saver」特典がない場合(特にスイート)、空席待ちができます。

空席待ちにはいくつかの注意点があります。


1.マイルが不足すると空席待ちはできません。ただし予約完了までにはマイルの引き落としもありません。

2.同時にいくつかの便の空席待ちが可能で、1旅程に必要なマイル数を持っているだけでいいです。

3.時々SQに電話することで早めに予約できることもあります。

4.搭乗日が決まった場合、予備で空席のある別のクラスを予約し、キャンセルしても手数料は高くありません。



*特典航空券を発券する際マイルが足りなく、提携パートナーからのポイント移行は2、3日かかるのが一般的です。スイートなどは人気が高くすぐに空席が埋まるから、先にSQに電話して空席を5日間程度ホールドすることがおすすめです。





お得な発券実例まとめ


自社特典航空券


「Advantage」は所要マイル数が多すぎて「Saver」だけ紹介します。

「Saver」でもお得とは言えませんが、SQのファーストクラスやスイートを体験するのに自社マイルじゃないと基本無理です。


*ビジネスクラスはAV、LH、ACなどのマイルで発券できます。



せっかくだし、スイートのある路線を見てみましょう。


おすすめ路線の片道所要マイル数です。


NRT-LAX 120.5K HKG-SIN 45K  SIN-SYD 57.5K 


スイート以外の路線で、距離的には、「SIN-アフリカ、中東、トルコ」のビジネス56.5K/ファースト86.5Kマイルが一番お得で、特に「SIN-JNB-CPT」は超長距離です。



期間限定のキャンペーンで通常より30%少ないマイル数で特典航空券に交換できます。

別のプロモーションとの併用で51%割引の路線も見たことがありますが、変更、払戻、ストップオーバー不可などの条件も付いてきます。

基本ファーストクラスが対象外で、エコノミークラスがメインでビジネスクラスも少ないです。

また、日本語の画面では日本発着便しか出てきませんが、ローケーションを変えることでほかの地域発着便も確認できます。




スターアライアンス加盟会社特典航空券


スターアライアンスの場合は、正直お得とは言えません。

まあまあ使える例をいくつか挙げます。


*SQは、バックトラックに対して非常に厳しく、ただしより短い直行便がなければ大丈夫です。



1.5往復の旅程構築

往復特典は、「A-B-C-B」のような旅程で、Bをストップオーバー、Cを目的地、最後にBでオープンジョーを設定することが可能です。

例えば「VVO-NRT-GUM/YAP/ROR-NRT」の路線は、東京をストップオーバーにし、「NRT-VVO」の片道航空券を別途発券すれば、2回の旅行になります。


1.5往復でエコノミークラス27Kマイル、目的地がパラオの場合、グアム22時台到着便と19時台出発便を利用し、乗継だけでほぼ丸1日グアムも楽しめます。




ハワイ、北米、中米、カリブ海地域周遊旅行

ハワイとアメリカ本土の間はエコノミー39K/ビジネス78Kマイルで往復できます。ただしアメリカのみの旅程はフリーストップオーバーがなく、同じマイル数の中米やカリブ海地域を目的地に設定するといいです。

例えば「HNL-IAH-NAS-EWR-HNL」の路線は、バハマとニューヨークの周遊旅行ができます。ハワイ往復部分は「ユナイテッド・ポラリス・ビジネスクラス」も体験できます。




オセアニア及び南西太平洋諸島周遊旅行

オーストラリア、ニュージーランド、タヒチ、フィジーなど、すべて同じゾーンになっています。

「AKL-PER」、「AKL-PPT」のような長距離便もあり、エコノミー片道13.5Kマイルは非常にお得です。

ただ発券できるのがNZしかなく、往復より周遊旅行がしたければ、別のマイレージプログラムとの組み合わせで発券したほうが使いやすいでしょう。



中東や北アフリカ、ヨーロッパ周遊旅行

何故かわかりませんが、中東や北アフリカゾーン内路線の所要マイル数がエコノミー44K/ビジネス83Kなのに、ストップオーバーまで付く中東や北アフリカとヨーロッパの路線は41K/67Kマイルしかかかりません。

それにLH、TK、TP、A3、OS、LX、OU、SK、MS、SNなど、対象の運航会社が多すぎて色々なプランを作成できます。


AUH-IST-LIS-CMN-CAI-DXB


AUH-IST-CPH-KEF-FRA-CAI-DXB




その他提携会社特典航空券


ASアラスカ航空

北米圏内路線エコノミークラス片道7.5Kマイル~、ただ乗継や途中降機ができません。

DAL-LGA/DCA 7.5K、SEA-FLL/CUNやLAX-SJO 12K、ANC-ORD 12.5Kマイルが代表的です。


VSヴァージン・アトランティック航空

ヨーロッパと北米の路線は片道エコノミー25Kビジネス32.5Kマイルで、往復発券ならストップオーバーも一つ付きます。





アップグレート特典




  • ワンクラス上へのアップグレードのみ適用、プレエコ設定なしの場合のみエコノミーからビジネスへのアップグレート可能

  • 一部使用済みの航空券やコードシェア便は対象外




  • ANAは出発56日間前まで申込可能

  • コードシェア便、ANAとTGの国内線及びSKのヨーロッパ圏内路線は対象外

  • 1回に1区間のみ、ワンクラス上へのアップグレードのみ適用

  • 同じ予約内最大4名までアップグレード可能、一部旅客のみアップグレートする場合は予約を分割する必要がある

  • 空港スタンバイアップグレードは利用不可、出発24時間前までに確定が必要


その他提携会社のアップグレードマイルチャートは、各提携会社の公式より確認できます。





総括



SQの特徴をまとめました。



良い点

SKYTRAX社の格付による最高水準の設備とサービス

各種プロモーションや究極のラグジュアリーで特別な搭乗体験

特典航空券は片道発券可能、各種手数料と燃油サーチャージが低い



悪い点

マイルの有効期限が3年&高額手数料払っても半年~1年しか延長できない

提携航空会社のマイルで自社ビジネス以上のクラスをほぼ発券できない

自社マイルチャートが高くお得に発券できない



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