1969年に設立した大韓航空(Korean Air、略称KE)は、ソウルに本社を置き、航空連合のスカイチームの創立メンバーとして、韓国の最大手航空会社です。
スカイトラックスによる最高評価の「The World's 5-Star Airlines」の認定も得ており、特に機内食サービスが有名です。
KEのマイレージプログラムはSKYPASS(スカイパス)と呼ばれ、マイルの積算&交換レートがとてもよく、スカイチームのなかには一番価値のあるプログラムでしょう。
*2019年12月には大幅な改悪が発表されましたが、コロナなどいろんな理由でまだ実行前です。
目次
会員システムの構成とプレミアステータスの取得
SKYPASSには、スカイパスクラブ、モーニングカームクラブ、モーニングカームプレミアムクラブ、ミリオンマイラークラブの順に、4段階の会員ランクがあります。
スカイパスクラブは平会員で、ほかの三つはエリート会員になります。
ステータス達成条件
1.いずれかの条件を満たせば対象、マイレージ加算対象の航空券のみ、韓国国内線は搭乗0.5回として計算される
2.会員資格有効期限内にいずれかの条件を満たすと、会員資格が2年延長される
ちなみに改悪後は、エリートプログラムがNEW SKYPASSになり、会員ランクもシルバー、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンドに変わります。
1暦年内の搭乗実績に応じたレベルのエリート会員資格が翌年2月1日から翌々年の1月31日まで付与されます。
NEW SKYPASSステータス達成条件
*マイレージ加算対象(エリートマイルを除き、ベースマイルのみ計算)の航空券のみ対象で、韓国国内線は搭乗0.5回として計算されます。共同運航便の場合、大韓航空/スカイチームが販売するフライトで獲得したマイル、および大韓航空が販売するフライトで飛行した区間のみ対象です。
モーニングカームクラブ/シルバーはスカイチームエリート、モーニングカームプレミアムクラブ/ゴールドはスカイチームエリートプラスも同時保有し、スカイチーム特典が享受できます。
現行制度:モーニングカームプレミアムクラブ以上のランクはあまりにも難しいですが、一旦到達したらライフタイム会員になり、若いごろコツコツ働いて定年後楽しむようなイメージです。
新制度:到達基準がだいぶ下がり一見簡単になりますが、1年ごとの更新により毎年の維持が大変で、ライフタイム会員もなくなり、実質改悪です。
特に2022年2月1日から2024年12月31日までにモーニングカームプレミアムクラブ/ミリオンマイラークラブに到達する場合、3年間のゴールド/プラチナのみ付与され、今まで頑張ってきて2022年前にライフタイムに間に合わない人にとってはショックですね。
新制度でゴールド会員を獲得するためには、1暦年内に搭乗で4万マイルを積算する必要があります。これは4万マイルの飛行距離ではなく、積算率の低い予約クラスでいくら飛んでも足りないのに、積算率の高い予約クラスで半分飛んだらいけるかもしれません。
*ゴールド会員の目安は、「NRT-ICN-LAX」を高いエコノミー/安いビジネスでKE便3往復です。
プレミアステータス特典の比較とコスパ分析
SKYPASS会員特典比較表
1.モーニングカームクラブ会員専用の手荷物カウンターが利用可能
2.米州発着便のエコノミークラス除外
3.KALプレステージクラスラウンジを2年間で4回まで利用可能
4.サービスセンターまたは支店で特典航空券の購入/変更は航空券サービス手数料がかかる
NEW SKYPASS会員特典比較表
エリートマイルは、予約クラスに基づいて計算 - 加算率100%以上のクラス:運航距離に比例 - 加算率100%未満のクラス:獲得マイル数に比例 現行制度も新制度も、コストを考えると、あまりにもメリットの少ない会員制度だと思います。 新制度の導入とともにマイルチャートの改悪も行い、マイル価値が落ちる一方で貯める意味もほぼなくなります。
マイルの積算方法
フライト搭乗
自社運航便の区間/予約クラス別加算内容及び計算機です。 スカイチームとそれ以外の提携会社の予約クラス別積算率です。 自社便(特に低い予約クラス)は、提携会社に積算するより、自社への積算率が高い場合も多いです。 他社便のうち、DLとの共同事業開始にともない、DL便からの積算率も高くなりおすすめです。 他の提携会社からは、特に可もなく不可もなく、普通の積算率にはなっています。 現行制度ではスカイチーム一番のマイレージプログラムですが、改悪後はKEへの積算価値がなくなります。 ただしスカイチームのほかのプログラムも、使えそうなものがないため、自社便はASへの積算が間違いなく最高価値を引き出せます。
提携カード
数多くのブランドとの提携カードがあります。
そのうち唯一意味あるカードは「SKYPASS・MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」になります。
「楽PAY」の利用で年会費3000円引き&リボ払いの利用で還元率2%にできます。 プラチナカードにしてはかなり年会費の低いほうにもかかわらず、プライオリティ・パス、手荷物空港無料宅配、2名分のコース1名無料など、プラチナカードならではの特典がしっかりついています。 ほかには、各種高額補償&保険やMUFGカードサービス、1枚目の家族カード無料、入会ボーナス5000マイル、年間100万以上の利用で1000ボーナスマイルなど、手厚い優待特典がいっぱいです。
その他提携サービス
ホテル、レンタカー、ショッピング、銀行/保険など、大量に貯めることは難しくても、韓国旅行など普通に使えるサービスが多いです。
また、KEにはファミリープランがあり、家族マイレージ合算と特典の譲渡ができるシステムです。
ただ2親等内に限られ、かつ1回5人までしか合算できません(登録は9人まで)。
そしてKEの特典航空券は、譲渡も合算もできますが、スカイチームの特典航空券は譲渡のみ可能とのことです。
ちなみにKEのマイルは10年の有効期間もあり、ほぼ期限なしと考えていいです。
特典航空券の発券ルール
まずは現行制度の内容です。
自社特典航空券必要マイルチャート
韓国/日本出発以外の場合はこちらで確認できます。
各地域の区分
幼児・小児は座席を使用する場合大人と同じマイルチャートで、使用しない場合大人のマイルチャートの10%(韓国国内線無料)が必要
韓国経由の「北米~グアム」路線は利用不可
国際線と韓国国内線が含まれる旅程には両方のマイルがかかる
片道特典航空券の所要マイル数は往復の半分
片道特典航空券はICNで1回ストップオーバー可能、往復は2回(電話発券必須)
オフピーク期とピーク期があり、ピーク期は自社マイルのみ発券可能
スカイチーム特典航空券必要マイルチャート
韓国/日本出発以外の場合はこちらで確認できます。
特定の路線及び航空会社利用時、もっと安く発券できる場合もあります。
エコノミー/ビジネス/ファーストクラスそれぞれの往復所要マイル一覧です。
MU、FM、MF
中国国内線及び香港~中国国内:20K/25K/30Kマイル
CIと一部AE
高雄/台南/台北/台中の各都市間のフライト及び中国本土~高雄/台南/台北/台中:20K/25K/30Kマイル
AF
東南アジア、北東アジア、東ロシア内のフライト:20K/30Kマイル/ファーストなし
フランス国内線:20K/40Kマイル
日本~ヌメア路線及び米国~タヒチ路線:エコノミー60K/ビジネス90Kマイル
カリビアン内、カリビアン~コロンビア/ペルー/ベネズエラ路線及びアフリカ内/インド洋路線::20K/30Kマイル
VN
ベトナム国内線:20K/30Kマイル/ファーストなし
ベトナム~東南アジア/北東アジア/東ロシア:30K/45Kマイル/ファーストなし
ベトナム~オセアニア:50K/75Kマイル/ファーストなし
GA直行便
インドネシア国内線:20K/30Kマイル/ファーストなし
インドネシア~東南アジア/北東アジア/東ロシア(インドネシアを除く):30K/45Kマイル/ファーストなし
インドネシア~オセアニア:50K/75Kマイル/ファーストなし
AZ
イタリア国内線:20Kマイル
UX
スペイン国内線:20K/40Kマイル
RO
ルーマニア国内線:20K/40Kマイル
OK
ドバイ~コロンボ路線:40K/80Kマイル
チェコ国内線:20K/40Kマイル
DL
インド~ドイツ路線:50K/80K/140Kマイル
AM
メキシコ国内線:20K/40Kマイル
SV
サウジアラビア~中東路線(サウジアラビア国内線を含む):20K/40K/60Kマイル
ME
レバノン~中東路線:20K/40Kマイル
KQ
中東~ケニア路線:35K/60Kマイル
アフリカ内路線:25K/45Kマイル
各地域の区分
幼児・小児は座席を使用する場合大人と同じマイルチャートで、使用しない場合は利用不可
仁川~パリ、仁川~アムステルダム路線以外の共同運航便利用不可
国際線と韓国国内線が含まれる旅程には両方のマイルがかかる
往復発券のみ、片道でも所要マイル数が往復と一緒
片道最大2回乗継可能、出発地と目的地で乗継不可
ストップオーバーは旅程全体で1回可能(乗継回数に含む)、北米内のみの旅程は4時間以上の滞在でストップオーバーとみられる
オープンジョーは同一国内のみ可能
その他提携会社必要マイルチャート
AS
全旅程で1回のストップオーバーが可能です。
出発地および最終目的地での乗り継ぎはできません。
CZ
ビジネスクラス特典利用制限期間
EK
EY
G3
南米:アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ
中米:アルバ、バルバドス、ドミニカ共和国、トリニダード・トバゴ
北米:米国(ハワイを含む)
全旅程で1回のストップオーバーが可能です。
出発地および最終目的地での乗り継ぎはできません。
HA
JL
利用可能路線:金浦~羽田、釜山~成田
幼児・小児は座席を使用する場合大人と同じマイルチャートで、使用しない場合は利用不可
航空会社混在及び共同運航便利用不可
往復発券のみ、片道でも所要マイル数が往復と一緒
直行便のみ利用可能、乗継便は区間ごとにマイルがかかる(アラスカ航空、中国南方航空、ゴル航空は除く)
オープンジョーは1回可能
各種手数料
変更
国内線:無料
国際線:30000KRW
払戻
国内線:有効期間内500マイル/有効期間外3000マイル
お客様都合でない場合や、予約を変更せずに支払い方法のみ変更する場合、及び購入当日に払戻が受け付けられた航空券は手数料が免除されます。
国際線:出発日から90日以内3000マイル/有効期間外10000マイル
お客様都合でない場合や、発券から24時間以内かつ出発日の7日以上前の払戻、及び購入当日に払戻が受け付けられた航空券は手数料が免除されます。
ノーショーペナルティ
韓国国内線8000KRW/国際線エコノミークラス100USD/国際線ビジネスクラスとファーストクラス300USD
*出発エリアに入場後搭乗しなかった場合は、更に200ドルの追加罰金が発生(アイドル追っかけ事件で新たに追加された)
新制度に関しては、今は特典航空券の発券基準のみ発表されました。
ゾーン区分から距離制に変更され、提携会社も片道発券ができるようになります。
エコノミークラス片道特典航空券必要マイルチャート
*ビジネスは2倍、ファーストは3倍になります。
特典航空券の発券方法
ログインして検索できます。
自社もしくはスカイチーム、往復/片道もしくは複数区間で検索可能です。
その他の提携会社は大韓航空サービスセンターまたは支店のみ予約・発券できます。
適当に入力してみました。
最初の画面で「前後の日付を確認する」にチェックを入れなければ、前後7日間、入れると前後1か月間の空席状況、9席以下の場合は席数も表示されます。
運賃規定には各種変更キャンセル条件の詳細が記載され、クラスを選べばかかる諸費用も出てきてそのまま決済・発券に進めます。
お得な発券実例まとめ
1往復を6区間(3往復)にしてマイル数を最大66%引き
片道2回乗継可能のため、1旅程には最大6区間まで可能です。
例えば中国国内線は、「深圳-上海-広州-北京-広州-上海-深圳」のように発券すれば、実質「深圳/広州-上海」2往復+「深圳/広州-北京」1往復になります。深圳と広州は近いので同じ都市と考えていいです。
これで中国国内線片道3333マイル~の驚愕価格!ファーストクラスはなんと片道5000マイル!
同じマイルチャートで台湾、ベトナム、インドネシア国内線も発券できますが、中国は広いので断然お得です!
ストップオーバー1回のみですが、ノーショー後の変更で手数料分だけ払えば乗継もストップオーバーに変更できます。ただ以前よりもノーショー罰金がだいぶ高くなりあんまりお得ではありませんが。。。
ベトナム/インドネシア~東南アジア/北東アジア/東ロシアのビジネスクラス
VN/GA運航便が45Kマイルで往復発券できます。
東南アジア/北東アジア/東ロシアはものすごく広く、これで長距離路線にすると安いほうです。
上記の1旅程6区間法でVNは「ホーチミン-台北-ハノイ-北京-ハノイ-上海-ホーチミン」、GAもバリ島、北京、台北など似たような路線があります。
中国、ベトナム、インドネシア、台湾在住なら実用性の高い発券方法です。
エコノミー20K/ビジネス45Kで「ハワイ-北米」往復
ほかのプログラムと違ってハワイが北米に区分され、必要マイル数も大幅に下がりました。
東海岸からハワイ往復もこれぐらいで発券でき、かつストップオーバーも1回つきます。
ちなみにANAマイルの場合はそれぞれ40K/68Kとなります。
ASの北米ゾーン内路線
往復所要マイルは20K/40Kで、以下のような長距離路線も同じです。
SEAもしくはLAXでストップオーバーも付けられます。
HAのハワイ内路線
エコノミークラス往復10Kマイルでできるので、島から島への移動がお安くできます。
上記は現行制度のもので、新制度になったら、KEのマイルがまったく使えなくなります。
マイルチャートが悪い一方で、乗継の場合はすべての区間を計算する形でとんでもないレートになる恐れがあります。
アップグレート特典
KE自社便
必要マイル数はこちらです。
対象予約クラス
韓国国内線:Y、M
国際線:J、C、Y、B、M
Mは乗り継ぎ専用便にのみ利用可能
50%以上割引された航空券およびアップグレードの制限がある航空券は利用不可
1つ上のグレードの搭乗クラスのみアップグレード可能
幼児・小児は座席を使用する場合大人と同じマイルチャートで、使用しない場合大人のマイルチャートの10%(韓国国内線無料)
が必要
韓国経由の「北米~グアム」路線は利用不可
国際線と韓国国内線が含まれる旅程には両方のマイルがかかる
一部の国では搭乗クラスによって税金の差額が発生する
スカイチーム運航便
必要マイル数はこちらです。
割引のない通常運賃で購入された航空券を、エコノミークラスからビジネスクラスの座席へアップグレードする場合のみ可能
国際線が含まれる旅程に適用、韓国国内線のアップグレードは不可(米国、カナダ、メキシコ、ハワイの都市間のフライトは国内線と見なす)
幼児・小児は座席を使用する場合大人と同じマイルチャートで、使用しない場合は利用不可
総括
KEの特徴をまとめました。
良い点
SKYTRAX社の格付による最高水準の設備とサービス
OZの吸収合併案が通ると韓国唯一の大手航空になり路線網も更に充実
特典航空券の空席が多い&電話で特典航空券の取り置きができる
マイルの有効期限が長い
悪い点
改悪後のマイレージプログラムは全く使えなくなる
自分以外の人への発券は非常に面倒くさい
マイルをためる方法が少ない
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