1919年に設立したアビアンカ航空(AVIANCA、略称AV)は、コロンビアのボゴタに本社を置き、航空連合のスターアライアンスのメンバーで世界2番目に古い航空会社です。
2020年に破産申請をしましたが、運航は継続し、2021年の経営再建計画も承認され、今後はAA/DL/UAのように破産から脱却する可能性は高いと思います。
AVのマイレージプログラムはLifeMiles(ライフマイル)と呼ばれ、毎年数回のバイマイルセールや、任意の片道発券及び少ない燃油サーチャージなど、意外と使いやすいところがいっぱいです。
目次
会員システムの構成とプレミアステータスの取得
LifeMilesには、Red Plus、Silver、Gold、Diamondの順に、4段階の会員ランクがあります。
ステータス達成条件
それぞれ必要なエリート資格対象マイル(2行目はうちAV運航便搭乗による最小獲得条件)です。
エリート資格対象マイル獲得方法
*IBおよびAMでの獲得マイルは対象外
1.AV運航便による獲得は1:1で計上(各種ボーナスを除く、XS運賃はすべてのマイル積算対象外)
2.ライフマイル発行カード、スターアライアンス運航便、マイル移行、バイマイルによる獲得は2:1で計上
3.エリートボーナスマイル、その他マイルボーナスは20:1で計上
AV運航便で積算するライフマイル=航空券代金*各種運賃の倍率(S3、M5、L/XXL7)*「1+エリート会員ボーナス(それぞれ10%/30%/50%/70%)」+AV搭乗時の付加サービス代金(諸税を除く)*5
*USDへ換算、AV以外のルートで航空券を購入した場合(航空券番号が133、134、202、530、547以外から始まる)は、飛行距離で計算されるはずですが具体的な計算方法は公表されていません。
Red PlusとSilverはスターシルバー、GoldとDiamondはスターゴールドも同時保有し、スターアライアンス特典が享受できます。
Gold資格は、USD1714で最高倍率の航空券を買って24000マイルを移行/購入すると翌々年の1月末まで有効です。
難点は、AV搭乗必須なのに運航路線が「中南米―北米/ヨーロッパ」しかないことです。
プレミアステータス特典の比較とコスパ分析
会員特典比較表
1.ゴールド以上の会員は18歳以下の同行者2名まで入場無料
2.AVのスペイン路線や「BOG-LAX」路線、及び「BOG発-LHR着」路線のみ適用、最大2名までアップグレート可能(幼児を除く)、 XS/S/G運賃は対象外
3.ダイヤモンド会員は同行者1名まで可能&XS運賃対象外、他の会員はXS/S運賃が対象外、出発60分前まで変更可能
4.平会員は12か月
AV運航便の搭乗以外はほぼハードルなしでエリート資格対象マイルを取得できるので、南米行きの需要があれば、毎年USD1700ぐらい使えば維持できます。
また、以前は1年有効のGOLD会員がUSD2200で販売され(今あるかどうかは不明)、搭乗なしでも入手できるかもしれません。
それ以外の場合は、特にAVの上級会員を取得する意味がないでしょう。
マイルの積算方法
フライト搭乗
エリート資格対象マイルのところで確認できます。
スターアライアンス加盟会社の一部エコノミークラス以外、積算率がさほどよくありません。
バイマイル
マイルを貯める一番ノーマルな方法です。
通常時は1000マイルUSD33もかかりますが、毎年何回もセールが行われ、基本最低100%のボーナスです。
2020年12月には史上最高200%のボーナスが出て10000マイル=USD110です!
ポイント移行
それなりに貯めやすく交換率も高いのが、マリオットボンヴォイのリワードプログラムです。
ポイント:マイル=3:1の比率で交換できます。
マリオットアメックスプレミアムカードのポイント還元率は3%で、マリオットグループでの利用はプラス3%で、マイル還元率がそれぞれ実質1%/2%に上ります。
その他提携サービス
クレジットカード、ショッピング、サブスクリプション、旅行、レンタカーなど、色々ありますが日本在住の場合はほぼ利用できません。
こちらで確認できます。
*LifeMilesのマイル有効期間は12か月(上級会員は24か月)で、期間中マイル積算がないと延長されません。バイマイル、会員アカウント間のマイル移行は延長対象で、ホテルなどのポイント移行や複数アカウントの統合、ボーナスマイルなどは対象外です。
特典航空券の発券ルール
LifeMilesはほかのマイレージプログラムと違って、発券ルールが極めてシンプルです。
単純往復もしくは片道発券で、クラス混在は可能ですが、途中降機は付けられません。
また、ネットでは乗継8時間以上の便が発券できず、空席があるのに検索で出てこない場合もあり、電話での発券が必要となります。
特典航空券1枚につき発券手数料がUSD25、変更は日時のみで1回USD150、キャンセルはUSD200もかかります。同じゾーン内路線の変更キャンセル手数料は1回USD50です。
必要マイルチャートとゾーン区分
*現在マイルチャートが変動制になり、一部路線(特に日本発着)がだいぶ改悪となりました。
AVの自社便必要マイルチャート非公開のため、計算ツールを使って整理しました。
エコノミー/ビジネス片道必要マイルチャート
北米はテキサス州、フロリダ州、東部アメリカ、西部アメリカ、トロントに、エクアドルは本土とガラパゴス諸島に分けられ、CUNはカリブ海所属です。
コロンビア国内線は、発着地にADZがあると5K/15K、LETがあると4K/13K、ほかは3K/11Kマイルになります。
また、同じ路線でも、発着地が逆の場合所要マイルも異なったりします。例えば、テキサス州―ガラパゴスの エコノミークラス18K/15Kは、テキサス州発18K、ガラパゴス発15Kの意味です。
2018年3月、一部路線において所要マイル数がさらに減りました。
北米と南米の路線は下記のようです。
特典航空券の発券方法
会員登録し、ログインした状態でこちらの画面を開きます。
Smart Search以外、各航空会社を指定して検索することもできます。
「HND-ITM」で検索してみたら、片道で8000マイル+USD5.05の諸費用がかかると表示されました。
Smart Searchはすべての便を表示できない場合があり、具体的な航空会社を指定して検索するか、UAなどの検索エンジンで便を把握してから検索したほうがいいです。
ただし、他の検索エンジンで空席があっても、LifeMilesで空席なしの場合は、発券不可となります。
お得な発券実例まとめ
スターアライアンスファーストクラス
ANA B777-300ER THE SUITE&A380 FIRST CLASS
SQ B777-300ER&A380 SUITE ROOM&FIRST CLASS
LH&TG FIRST CLASS
片道所要マイル「北アジア―北米90K/ヨーロッパ115K/ハワイ66K/東南アジア&オセアニア50K」
ANAの往復所要マイル「日本―北米150K~/ヨーロッパ165K~/ハワイ120K~/東南アジア105K~/オセアニア135K~」と比べると、東南アジア&オセアニアが圧倒的に安く、ハワイも同じレベルです。
北米とヨーロッパは多少高くなりますが、片道発券できるし、燃油サーチャージもかからないので、場合によってはお得とも言えます。
また、SQのファーストクラスは、基本自社とLH、AVのマイルしか発券できず、自社とLHは燃油サーチャージが高いので、AVが一番の選択肢になります。
ボーナス200%のバイマイルなら約12000円で10000マイルを買えるので、ANAマイルよりコストが全然低いです。
何よりも、ファーストクラスとビジネス/エコノミークラスのクラス混在発券で、更にお安くできるのです!
例えば、「ORD-NRT」は90Kマイルもかかるのに、その後に「HND-ITM」のエコノミークラスを入れると(その路線にファーストクラスがないため)、合計87300マイルになってしまいます。
その計算方法の基準は発表されていませんが、1区間無料に搭乗できて更にコストも下げるなんで最高じゃないですか?
追加区間を色々試してどれだけ安くできるか楽しみですね。
北アジアゾーン内長距離路線
LifeMilesの北アジアゾーンは、かなり広めでパラオやマリアナ諸島まで包括され片道クラス別15K/22.5K/30Kマイルしかかかりません。
NH/OZの「NRT-ICN-SPN」もしくはUAの「NRT-GUM-SPN」でサイパンに
NH/OZの「NRT-ICN-ROR」、NH/UAの「NRT-GUM/MNL-ROR」もしくはNH/BRの「NRT-TPE-ROR」でパラオに
ちなみにANAマイルの場合は、燃油サーチャージも高く往復最低クラス別37K/54K/65K/135Kマイルがかかります。
北米とヨーロッパ圏内短距離路線
北米もヨーロッパも、サブゾーンまで細かく区分されました。
同じサブゾーン内なら、片道北米7.5K/15Kマイルで発券できます。
US-1とUS-2は10K/15K、US-1とEU-1は20K/60K(ビジネスは高い)で片道発券できます。
オセアニア行き
「北アジア―オセアニア」の片道特典航空券は20K/40K/50Kで発券でき、基本ANAよりコストが低いです。
UAのエクスカーショニスト・パークとの組み合わせ利用がお薦めです。
オセアニアに行って無料区間を利用して途中降機、AVマイル片道発券で日本に戻ります。
エクスカーショニスト・パーク最後の1区間は、戻る際にソウルや日本国内の別の都市に寄って帰るか、次の旅行の片道分にするか、自由度が高いです。
例えば:
UA発券 NZビジネス「NRT-AKL」、「AKL-PER」 NHエコノミー「HND-OKA」合計約55Kマイル
AV発券 NHビジネス「PER-NRT」 40Kマイル
ビジネスクラスでオークランド、パース周遊して次回沖縄行きの航空券も入れて95Kマイルです。
AKLじゃなくてPPTなどオセアニア諸島を指定する場合は、更に10Kマイルを節約できます。
*AVはバイマイルセールのほか、期間限定で特典航空券の割引発券や、マイル移行によるボーナスマイルなど、お得なキャンペーンが多いです。
アップグレート特典
AV運航便アップグレート
必要マイル数はこちらで確認できます。
133、134、202、530、547から始まる航空券番号のみ対象
出発12時間前までに手続き可能(ロンドン―ボゴタ線を除く)
N、R 、X以外の予約クラスが対象(国際線はすべての航空券が対象)
自分のマイルで第三者へのアップグレート申請も可能
便の日時変更やキャンセルによりアップグレートの再申請や払戻可能
スターアライアンス加盟会社運航便アップグレート
所定の予約クラスのみアップグレート可能
特典航空券、ディスカウントチケット、エージェントにより割引、社員割引、無料航空券およびコードシェア便は対象外
1回に2区間のみ、ワンクラス上へのアップグレードのみ適用
出発300日間前(ANA56/NZ28日間)から24時間前までに申込可能
同じ予約内最大4名(幼児除外)までアップグレード可能
空席待ちや空港スタンバイ不可
便の日時変更やキャンセルによりアップグレートが自動払戻
総括
Lifemilesの特徴をまとめました。
良い点
バイマイル制度でマイルを貯めやすく、期間も延長できる
40%のマイル+1.5cent/Mの価格で残りの部分をキャッシュで支払える
燃油サーチャージとClose-in Feeを徴収しない
同じゾーン内路線を含め、任意区間の片道発券可能
悪い点
ストップオーバーができず、柔軟性が低い
システムエラーが多くネット発券に支障が出る
変更キャンセルは電話のみでスペイン語ができないと時間がかかる
発券、変更及びキャンセル手数料が高い
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