1933年に設立したエールフランス(Air France、略称AF)は、1919年に設立したKLMオランダ航空( KLM Royal Dutch Airlines、略称KL)へのM&Aを行い、2004年にヨーロッパ最大の航空会社グループ「エールフランス‐KLM」を誕生させました。
エールフランスは数多くの受賞歴もあり、スカイチームの創立メンバーで連合内に一二を争うグレードの高い航空会社とも思われます。
エールフランス‐KLMグループのマイレージプログラムはFlying Blue(フライングブルー)と呼ばれ、AFとKLを含め6社が共用するものです。
DLと似たような施策でほぼ魅力を感じられませんが、自社ファーストクラスの特典航空券は、SQと同じ上級会員限定かつ自社マイルでしか発券できない仕組みや、~50%割引発券のプロモーションも時々開催されるところから、価値は多少残っていると思います。
目次
会員システムの構成とプレミアステータスの取得
Flying Blueには、エクスプローラー、シルバー、ゴールド、プラチナの順に、4段階の会員資格があります。
*CLUB2000はほんの一握りの招待制で普通の人とは無縁です。
ステータス達成条件
AF及び提携会社に搭乗すれば、座席クラスとフライト種類によってXPの獲得ができます。
ただし、特典航空券及びAF&KL以外の航空会社の一部予約クラスが対象外となります。
資格期間は12か月ごとの更新で、エリート会員到達時、対象分が引かれ残りのXPから新しい資格期間が始まり、期間中の獲得XPによって昇格/維持/降格が決まります。レベルダウンもレベルアップも1つずつという仕組みです。
*残念ながらステータスマッチはほぼ開催されないようで一発ゴールドは無理でしょう。
レベルアップ:
エクスプローラー+100 XP=シルバー
シルバー+180XP=ゴールド
ゴールド+300 XP=プラチナ
レベルダウン:
プラチナ+300 XP以下=ゴールド
ゴールド+180XP以下=シルバー
シルバー+100 XP以下=エクスプローラー
シルバー会員はスカイチームエリート、ゴールド以上の会員はスカイチームエリートプラスも同時保有し、スカイチーム特典が享受できます。
昇格が面倒くさい分、維持することはそれなりに簡単で、10年連続プラチナの維持ができたら生涯プラチナになるという、会員離れをきちんと防げるシステムだと思います。
一番効率的にXPを獲得する方法と言えば、EU圏内の安いビジネスクラスにできる限り乗継をつけることです。
片道3回乗継すれば、1往復で15*6=90XPも獲得でき、2往復でゴールド会員の維持ができます。
1回乗継の「日本ーヨーロッパ」往復のビジネスクラスも100XP以上もらえるので、よく格安ビジネスクラス航空券を出すMUやSU(スカイチーム会員資格一時停止中)がおすすめです。
またフランスやオランダ在住の場合、アメックスの提携クレジットカードで毎年最大60XPも付与され、ステータスをもっと維持しやすくなります。
プレミアステータス特典の比較とコスパ分析
会員特典比較表
詳しい条件は公式にて確認できます。
ゴールド以上の会員はスカイチームのエリートプラス資格も同時保有できます。国際線(特に長距離線)をよく利用する場合、航空会社の制限もなく、AF&KL以外は対象の予約クラスだけ満たせば会員資格達成・維持の対象なので柔軟性も高いです。
ただゴールド会員はエリートプラス以外のメリットがほとんどなく、エリートプラスだけならDLのプログラムを選んだほうが簡単な気がします。
生涯プラチナを目指すことこそがFLYING BLUEを選ぶ意味で、プラチナ会員かつフランス&オランダ発行のアメックス提携プラチナカードを同時所有の場合、毎年60XPの付与にプラチナ会員贈与権が1つ付くなど、特典内容をより一層楽しめます。
マイルの積算方法
フライト搭乗
AFもしくはKLが販売する航空券もしくは航空券番号が両社のものから始まる場合、購入時点の為替率でユーロに換算した金額(諸税を除く)及び会員ステータスに基づきマイルが加算されます。
提携航空会社の場合は、飛行距離と予約クラスによって積算率が異なり、公式にて詳しく記載されてあります。
もちろん、FLYING BLUEのマイル価値の低さからすると、XP獲得目的以外、積算する意味がありません。
*2年に1回スカイチーム加盟会社運航便搭乗もしくは提携クレジットカード利用、あるいはシルバー以上の会員である場合、マイルが実質永久有効となります。
提携カード
フライング・ブルーVISA/JCBカード(一般/ゴールド)があります。
還元率は全部1%で、特別な特典もなく、ちょっとつまらないカードです。
ゴールドカードを選ぶなら年会費割引ができるVISAカードにしたほうがいいです。
ポイント移行
それなりに貯めやすく交換率も高いのが、マリオットボンヴォイのリワードプログラムです。
通常60000ポイントごとに20000マイルプラス5000ボーナスマイルで合計25000マイルを交換できます。
マリオットアメックスプレミアムカードのポイント還元率は3%で、マリオットグループでの利用はプラス3%で、マイル還元率がそれぞれ実質1.375%/2.75%に上ります。
*ただし、マリオットのポイントはもっと価値の高いマイルへの移行がおすすめです。
アメックスのプロパーカード(自社発行)は、「メンバーシップ・リワード・プラス」の登録で(年間3,300円、プラチナカード無料)、1,250ポイント = 1,000マイルで交換できます。
*未登録の場合は、2,000ポイント = 1,000マイルです。
カード利用時のポイント加算レートが100円=1ポイントのため(=マイル交換率0.8%)、マリオットプレミアムカードより全然低いですが、ビジネスカードで会社の経費に使う場合やプラチナカードでの高額利用が必要な場合など、ポイントがたくさん貯まったらマイルの移行が一番お得かと思います。
*もちろん、こちらのポイントも、もっと価値の高いマイルへの移行がおすすめです。
その他提携サービス
TOPCASHBACK経由でPonits.comにてマイルを購入する場合、2.5%前後のキャッシュバックがあります。
日本国内のポイントサイトにない案件が多く、海外サイト利用時には非常に役立ちます。
今は期間限定で紹介入会につきUSD10~をもらえるので興味のある方はぜひご利用くださいませ。(キャンペーン時期によって金額の変動あり)
貯まったキャッシュバックはそのままPAYPALに引き出せます。私は知らないうちに2000ドルも貯まり、円安時に海外通販サイトでの利用がほとんどでした。
特典航空券の発券ルール
マイルチャート
前述の通り、FLYING BLUEにはマイルチャート表がなく変動制のため、発着空港を入力することで最低必要マイル数が表示される計算機しかありません。
それを整理して必要マイルチャート(片道)を作成しましたが、随時変更の可能性や国内線など表に表示できないこともあります。
例えば日本国内線はエコノミー11.5K~/ビジネス28K~、韓国国内線はエコノミー9K~/ビジネス22.5K~、フランス国内線はエコノミー6K~/ビジネス20K~となります。
そのため正確なマイルチャートがリアルタイムで調べる必要があります。
その他制限事項
往復最大6区間(片道最大3区間)
往復発券の場合のみ、ストップオーバーと目的地オープンジョーそれぞれ1回まで可能(プロモリワード除外)
ストップオーバーは出発国以外、オープンジョーは同じゾーン内のみ可能
一部スカイチーム加盟会社の混在発券不可(例えばDLとKE)
変更・払い戻し手数料はEUR50
特典航空券の発券方法
ログインしてから検索・発券ができるシステムです。
適当に入力してみました。
検索した対象便が出てきてました。
その後の情報も入力すれば発券完了です。
わかりやすい発券システムです。
お得な発券実例まとめ
プロモ・リワード
毎月更新、通常価格から最大50%割引できる特典航空券です。
50%引きの場合、「日本―ヨーロッパ」往復エコノミー36K~/ビジネス90K~マイルでそこそこいいレートになります。
ただ残念なところは、基本はFLYING BLUE自社便限定で、EU圏内もしくはヨーロッパ発着便のみとなります。
*中距離および短距離便はパリまたはアムステルダム発着
*長距離路線はアルバニア、アルジェリア、アルメニア、オーストリア、バレアレス諸島、ベラルーシ、ベルギー、ボスニアヘルツェゴビナ、ブルガリア、カナリア諸島、クロアチア、キプロス、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イスラエル、イタリア、ラトビア、リビア、リトアニア、ルクセンブルク、マケドニア、マルタ、モルドバ、モロッコ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、チュニジア、トルコ、ウクライナ、英国、西ロシア発着
乗継を利用して弾丸旅行/所要マイルを減らす
片道でも24時間以内の乗継便は発券可能ですが、ネット発券の場合、自動的に一番乗継時間の短い便が表示されるため、一旦予約してから電話で最大24時間まで乗継便の変更が可能です。
済州島日帰り旅行
KE便で日本乗継の場合=9Kマイルで「韓国―日本」弾丸旅行です。
「中国―日本」の所要マイルを減らす
JL便でもともと17.5Kマイルかかるのに、14.5Kになりました。
乗継便をオープンにして別の日にちに変更できたら、往復同然です。
ただし、できるかどうかは空港スタッフ次第です。
アップグレート特典
事前アップグレード
対象となる航空会社: AF、KLが販売し運航するフライトおよび対象の提携航空会社と予約クラス
可能なお支払い方法:マイル
申込期間:フライトの最低24時間前
リクエスト方法:オンラインまたは電話
搭乗直前のアップグレード
対象となる航空会社:AF、KLが販売し運航するフライト、DLやKQが販売するAMD発のフライト
可能なお支払い方法:マイル、マイル&キャッシュ、もしくは現金のみ
申込期間:チェックイン開始から搭乗まで
リクエスト方法:オンラインまたは空港にて
機内アップグレード
対象となる航空会社: AF、KLが販売し運航するフライト
可能なお支払い方法:マイル、もしくは現金のみ
リクエスト方法:機内にて
その他注意事項
特典航空券は事前アップグレード以外利用可能
AFのラ・プルミエールへの事前アップグレードは、予約クラスJ、C、Dでビジネス席購入のゴールド、プラチナ会員のみ可能
こちらも基準未公開のため、いくらかかるかは実際に調べる際しかわからない
総括
AFの特徴をまとめました。
良い点
ヨーロッパ最大の航空会社グループ&評判がいい
上級会員資格の維持が比較的簡単&生涯プラチナ会員が魅力的
マイルの有効期限を延長する方法が多くて簡単
悪い点
自社便のマイル積算が運賃に従う&レートが悪い
特典航空券のマイルチャートが変動制でとんでもない高額になる
お得な路線が少なくマイル価値が低い
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