以前紹介した「エラー運賃」は、まだ覚えていますか?
システムエラーによりとんでもない安価で販売される航空券のことです。
ただ、航空券の値段は常に変動するのでエラーの発生に繋がりますが、固定チャートの特典航空券はどうやってエラーになるのでしょうか?
今回は、その「エラー特典航空券」について詳しく紹介したいと思います。
目次
アラスカ航空のマイルでシンガポール航空運航便が発券可能に
ANAで提携航空会社特典航空券を検索すると、以下の注意書きがあります。
シンガポール航空の次の機種(A350-900、A380-800、B787-10、B777-300ER)ではスイートクラス・ファーストクラス・ビジネスクラスでの特典航空券のご予約はできないことがあります。
ほかのスターアライアンスメンバーでシンガポール航空のビジネスクラス以上の特典航空券を検索してもほぼ出てこなく、予約できるのがLH、AC、AVぐらいです。
*つまりシンガポール航空のマイル以外、基本予約不可とのことです。
ところが2019年10月から、アラスカ航空のマイルで予約できるようになり、なんと上記の機種やハイクラスが全部対象になっていたのです!
でも、アラスカ航空のマイレージチャートを確認したら、ビジネスクラスとファーストクラスの場合、日本からの片道所要マイル数はそれぞれ、東南アジア60K/75K、ヨーロッパ175K/240K、アメリカ80K/110Kとなり、いずれも高すぎてお世辞でもお得には考えられません。
唯一お得と言えるのが、25K/35Kの東南アジアエリア内片道マイレージチャートです。
当時、なぜか中国が東南アジアに区分され、「北京ーシンガポール」のような長距離路線も対象でした。しかもシンガポールでストップオーバーして、香港、バリ島など、東南アジアエリア内であればただでもう1区間乗れます。
アラスカ航空のバイマイル最低レートで計算すると、700ドルで上記路線のA380スイートが乗れるわけです。
ただ、これはおいしいですがエラーまではいかないでしょう。
ヨーロッパ往復ファーストクラスが35000マイル
本当の「エラー特典航空券」は、25K/35Kで「東南アジアーヨーロッパ/アフリカ/オセアニア」往復を発券したものです。
もちろん、通常のマイレージチャートでは絶対不可能ですが、当時アラスカ航空のルール上、東南アジアエリア内特典航空券でも、東南アジア以外のところで乗換ができたのです。
例えば「上海ーシンガポール乗継ーロンドン乗継ーシンガポール」は、ロンドンで降りて残りの区間を放棄すれば見事ヨーロッパ行きの片道航空券になります。
「香港―シンガポール乗継―パリ乗継―シンガポール」も同じです。
そのほか、「香港-シンガポール乗継ーシドニー/オークランド乗継―シンガポール」、「北京ーシンガポール乗継ーヨハネスブルグ乗継ーシンガポール」などで、オセアニアやアフリカにも行けたのです。
www.flightconnections.comを使えば運航路線も確認できます。
ここでもっと破天荒なやり方が登場!
アラスカ航空の特典航空券には、片道でもストップオーバーが1回まで無料というルールを利用し、電話でロンドン乗継をストップオーバーに変更し、見事ヨーロッパ往復をゲットした人がいます。あまりにも野暮なやり方でアラスカ航空のカスタマーセンターもびっくりしたそうです。
700ドルでシンガーポール航空スイートクラスヨーロッパ往復ですよ!
結果、数日後アラスカ航空がアジアエリア内特典航空券に対し、ルールを変更しました。
アジア以外の地域での乗継は禁止されました。
アジアエリア内の無料ストップオーバーも取り消されました。
中国は東南アジアから北アジアに変更されました。
ルール変更によってお得要素全滅です。
ただ、数日存在したということは、通常の「エラー運賃」よりぜんぜん余裕で予約できたんじゃないですか?!
手元にマイルが足りなく慌てて高いレートで買ったら、アカウントが反映前にルール変更されたという痛恨のエピソードも聞きましたけどね。
ヨーロッパ片道ビジネスクラスが20000マイル
ところでその後、アラスカ航空マイル20Kで発券できる「ヨーロッパ―アジア」ビジネスクラス航空券が現れました!
同じ検索方法でヨーロッパエリア内片道特典航空券を検索したら、フィンエアービジネスクラスが出てきます。
フィンエアーアジア地区就航都市
実際に発券した航空券
日本の場合、「ヘルシンキー東京乗継ーロンドン」、「パリー東京乗継ーヘルシンキ」のような路線もあります。いずれもフィンエアーの新型エアバスA350で素敵な空の旅になるでしょう。
一区間だけ乗っても十分お得ですが、東京をストップオーバーに変更してもらえたらさらに驚愕です。
とはいえ、フリークエントフライヤーの世界では、エラーに関して絶対カスタマセンターに聞かないのが暗黙のルールです。
問い合わせが多くなればなるほどエラーの存在期間が短縮されるからです。
こちらの「エラー特典航空券」は元々数少ないため、ひょっとしたらまだ存在しているかもしれません。
「ヘルシンキ―東京」、「東京以外のアジア都市ーロンドン」のように、オープンジョーを24時間以内で発券すれば、後半を放棄しても受託手荷物が目的地に届く心配はありません。
ご注意:わざと乗り損なう行為を繰り返すと、航空会社のブラックリストに登録され、マイルアカウントが閉鎖される恐れもあります。
もちろん、上記のケースは過去のもので、今はアラスカ航空のルール変更で2度と出ないと思いますが、ほかの航空会社のマイルも、同じようなことが起きてしまいます。
特典航空券は基本予約後24時間以内に無料キャンセル可能のため、今後、このような「エラー特典航空券」が現れたら、とりあえず予約してからじっくり考えませんか?
Comments